🌱 種が届いた日
ネットで注文していた種がついに届きました。届いた袋を開けると、中には色も形もそれぞれ違う小さな粒がぎっしり。掌にのせると本当に頼りないほど軽いのに、その一粒一粒が未来の畑を作ってくれるのだと思うと胸が高鳴ります。これまでは準備ばかりで、「早くまきたい」とうずうずしていたので、ようやく本番が始まるという気持ちになりました。
🌾 4種類を一気にまく
この日は一度に4種類の種をまくことにしました。700平米の広さを前にすると、どこから手をつけていいのか迷ってしまいます。でも、やらないと進まない。袋を持ち直し、決めた畝に向かうと「よし、やってみよう」と自然に気持ちが整いました。広すぎる畑に小さな種を落とす――そのアンバランスさが、むしろ「挑戦しているんだ」という実感につながります。
🪴 すじぼりで刻むリズム
今回選んだのは「すじまき」という方法。鋤簾(じょれん)で畝の表面に浅いすじを入れ、そのすじに沿って種を落としていきます。すじを引いた瞬間、茶色い土の面に一本の線が浮かび上がり、「ここから物語が始まるんだ」と思えるのが不思議でした。
指先でつまんだ小さな種を、ひと粒ひと粒落としていく。手で土を寄せてふわっとかぶせる。その動作を繰り返すうちに、畑の中に一定のリズムが生まれ、単純作業のはずがどこか心地よい時間に変わっていきました。
☀️ 広さの中で感じる不安と期待
もちろん700平米すべてを一度に終わらせることはできません。手元にある種の分だけをまき終えると、まだまだ広がる茶色い土が目に入ります。途方もない気持ちになりつつも、ふと振り返ると、確かにすじが刻まれ、種が眠る畝が並んでいました。未完成ではあるけれど、間違いなく「前に進んだ」という確かな実感がありました。
💡 未来を託すすじまき
畑にすじを入れるという単純な行為が、未来を描く第一歩になる。すじの下には、芽吹きを待つ命が眠っている。まだ見えないけれど、この土の中に確かに未来があると思うと、胸が熱くなります。
4種類の種をまいたこの日、700平米の広さに立ち尽くす不安は少し和らぎ、「きっと育つ」という期待に変わりました。これからの日々の管理も含めて、また一歩、農業の物語が進んだのだと思います。
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